ナーチャリングとCRM・SFAの連携で顧客育成を自動化する方法

現代のBtoBマーケティングでは、リードの獲得だけでなく、獲得したリードをいかに「顧客」へと育てていくかが重要です。この「顧客育成(ナーチャリング)」を効率的に行うには、MA(マーケティングオートメーション)ツール、CRM(顧客管理)、SFA(営業支援システム)の連携が欠かせません。
この記事では、リードの状態管理から商談化までのプロセスを自動化・最適化する方法と、ツール選定のヒントをご紹介します。
1. ナーチャリングの自動化が必要な理由
- リードのフォロー漏れを防ぐ
- スコアリングによって見込み度の高いリードを優先できる
- マーケティングと営業の情報共有をスムーズにする
これらを実現するためには、MA・CRM・SFAの各システムが「バラバラに存在する状態」ではなく、連携して機能することが重要です。
2. 連携による自動化プロセス
ステップ①:リード獲得(MA)
WebサイトやLPからフォーム入力された情報を自動でMAに取り込み、タグ付けやスコアリングを実施。シナリオメールなどを通じて育成を開始します。
ステップ②:見込み度判定(MA → CRM)
リードが一定のスコアに達した段階で、CRMに情報をエスカレーション。ここで担当営業が割り当てられます。
ステップ③:商談化プロセス(CRM ↔ SFA)
CRMに蓄積された情報をもとに、SFA上でアプローチの履歴や商談フェーズの管理を行い、ナーチャリングで育てたリードを確実に商談化します。
3. 連携を成功させるためのツール選定ポイント
MAツールの選び方
- スコアリング機能がある
- CRM/SFAとAPIまたはネイティブ連携できる
ツール名 | 特徴 | 向いている企業規模 | 公式サイト |
---|---|---|---|
Marketo Engage | 高度なスコアリング、柔軟なシナリオ設計、Salesforceとの強力な連携 | 中〜大企業 | https://jp.marketo.com/ |
HubSpot | CRMと統合されたオールインワン、UIが直感的 | 中小〜中規模 | https://www.hubspot.jp/ |
SATORI | 国産ツール、匿名アクセス解析とパーソナライズが強み | 中小企業・国内向け | https://satori.marketing/ |
b→dash | ノーコードでのデータ活用、分析・配信までワンストップ | マーケ初心者〜中規模企業 | https://bdash-marketing.com/ |
List Finder | コスパが高く、営業寄りMA、シンプルで使いやすい | 初心者・中小企業 | https://www.list-finder.jp/ |
CRMの選び方
- 顧客情報の一元管理ができること
- MA・SFAとの連携がスムーズであること
- カスタマイズ性や操作性も重要なポイント
ツール名 | 特徴 | 向いている企業規模 | 公式サイト |
---|---|---|---|
Zoho CRM | コスパに優れ、機能も豊富、他Zoho製品との連携も◎ | 中小〜中規模 | https://www.zoho.com/jp/crm/ |
Kintone(キントーン) | ノーコードで業務アプリ構築、柔軟なCRM運用が可能 | 中小企業・自社に合わせて作りたい企業向け | https://kintone.cybozu.co.jp/ |
HubSpot CRM | 無料から使える、MAとの統合性が高い、UIがわかりやすい | 中小〜中規模 | https://www.hubspot.jp/products/crm |
eセールスマネージャーRemix Cloud | 国産CRM、SFA機能が強く営業現場向き | 中堅〜大企業 | https://www.e-sales.jp/ |
SFAの選び方
- 営業フェーズの可視化・進捗管理ができるか
- CRM/MAとシームレスに連携できるか
- 現場の営業担当が使いやすいUIか
ツール名 | 特徴 | 向いている企業規模 | 公式サイト |
---|---|---|---|
Salesforce Sales Cloud | 世界的に利用されるSFAの代表格、カスタマイズ性◎、CRMと一体化 | 中〜大企業 | https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/ |
eセールスマネージャーRemix Cloud | 国産で営業現場に強い、SFAとCRMを一体で提供 | 中堅〜大企業 | https://www.e-sales.jp/ |
Zoho CRM(SFA機能含む) | MA/CRM/SFAを一元で提供、価格帯も手頃 | 中小〜中規模 | https://www.zoho.com/jp/crm/ |
kintone + 拡張SFAプラグイン | 業務フローに合わせて柔軟にSFA機能を構築できる | 中小企業・柔軟な運用重視の企業 | https://kintone.cybozu.co.jp/ |
JUST.SFA | シンプルなUIとスピーディな導入、国産クラウドSFA | 中小企業〜営業組織立ち上げフェーズ | https://www.justsfa.com/ |
4. 実装時の注意点と成功のカギ
- 部門間で共通KPIを持つこと:マーケと営業の連携がスムーズになります。
- 定期的なデータクレンジングと運用ルールの見直し
- 営業との連携フローを明確に定義(リードの引き渡し条件など)
まとめ
ナーチャリングの自動化は、単なる業務効率化だけでなく「リードの質の最大化」に直結します。MA、CRM、SFAを適切に連携・運用することで、マーケティングと営業の壁を取り払い、より戦略的な営業体制を構築できます。